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2023.05.29

4年目UXデザイナーが語る、支援会社でのUXデザイナーのキャリア

#UXデザイン#エクスペリエンスデザイン#コラム#ナレッジ・ノウハウ

濱藤柚香子 濱藤柚香子

電通デジタルのUXデザインの分野では、新卒で入社した若手社員たちも日々学びながら活躍しています。

本記事では、UXデザインの業務に携わる4年目の社員2名に、UXデザインに興味を持ったきっかけや日々の業務の中で意識していること、そして今後UXデザイン領域でキャリアを積んでいく際の展望についてインタビューしました。

インタビュイープロフィール
インタビュイープロフィール

UXデザインとの出会い

馬問津(以下M)
「私は美大出身ですが、制作よりもアイデアを考えたり観察力を養ったりする機会が多かったです。 インターフェースの授業での実際のプロダクトのUI観察や、”100円玉の使い方を100個考える”という体験設計の課題もあり、それらがきっかけでUXについても興味を持つようになりました。

大学3年生の時にはインターンでプロダクト企画に携わり、その際にユーザー視点を考えるようになりました。ペルソナ・カスタマージャーニーなどの手法にも興味を持つようになり、電通デジタルに入社しました。」

堀田裕介(以下H)
「大学では情報系の学科に所属しており、”情報とは…”や”人々への影響とは…”といった哲学にも近いような学問を専攻していました。

大学で学んだ物事の見方・考え方は、現在の業務でユーザーのインサイトを考える際に、より概念的なところから考えられるという点で役に立っていると感じています

UXとの出会いは、学生団体でのフリーペーパー制作がきっかけでした。
デザイナー・カメラマン・編集長を担当し、冊子の仕様やコンテンツのレイアウト等を考えて作った経験は、現在の業務にも生きていると感じています。」

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入社後の経験

次に、電通デジタルに入社してからの二人の経験や、チームの雰囲気について聞いてみました。

(M)
「私はUXを具現化するような設計チームに所属しており、プロダクトのUIを作ったりサービスデザインの構想を行ったりしています。

チームメンバーにはいろいろな専門性を持った人がいて、例えば、AIやテクノロジー系の人、ビジュアルデザインの人、サービスデザイナーやリサーチャー寄りの人などです。私自身は幅広く知見を得て、総合的に体験をデザインできる UXデザイナーを目指しています。様々な強みを持ったチームの中でフルスタック人材として働くことで、プロダクトの構想段階から実現まで伴走できる点が面白いです。一方で、自分の強みが何になるか考えることもあります。」

(H)
「配属当初は主に表層レベルの設計を担当しており、ワイヤーフレームを作ってユーザーテストを行う、といった業務を主に行っていました。

最近は事業部全体としてサービスデザインにも注力し始めていますが、最初に具体的なUIデザインを行っていたからこそ、構想を実現可能なアイデアとして提案できるという点に強みを感じています。」

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クライアントワークとしてのUXデザイン

支援会社のUXデザイナーは、クライアントのプロダクト改善を通じてビジネス改善を行っています。クライアントへの提案を行う際、2人はどのような点を意識しているのでしょうか。

(M)
「クライアントからは、柔軟なアイデアの発散という点だけでなく、それをどのように実現させていくか、推進・収束させていくかという点が期待されていると感じます。」

(H)
「コストや時間の制約がある中で、より良いアイデアを出すのが使命なので、収束力については私も重要視しています。

ワークショップでアイデアの発散を行った後、それらのアイデアをマトリクスで整理して評価しますが、その際にUI設計に携わった経験を基に精度の高い整理ができていると感じています。

その説得力があるからこそ、一見、実現性が低いと思われがちだが、大きなインパクトが見込める施策を取り入れよう、というふうに進むこともあります。

クライアントワークのUXデザイナーとしての意義を感じるのは、企業内だけで施策を考えると保守的になりがちなところに、新たな視点を提供できる点です。 」

(M)
「プロダクトのフィジビリティーの制限やクライアントのビジネス目標がある中で、私は”ユーザー起点”を軸としてぶらさないことを意識しています。

ユーザーストーリーやカスタマージャーニーマップを用いることで、要件とぶれないアウトプットができる上に、クライアントとも合意を取りやすいと感じています。

一方で、単にユーザーにとって良いかというだけではなく、我々はビジネスとして成功するためにはどうするか、ということも常に考えています。
例えば、インクルーシブ・デザインを取り入れることでクライアントのマーケットがどの程度拡大し、どのくらい収益が向上するかということも考えています。
こういった点は、デザイナーというよりコンサルタントの役割に近いと感じます。」

プロジェクトによって、クライアントとの関わり方も様々です。

(H)
「私が関わるプロジェクトでは、スケジュールに基づいて進行し、打ち合わせのタイミングでアウトプットを提示してクライアントと合意を取る進め方が多いです。
こういった進め方では、先々の見通しをしっかり把握できる点が利点だと感じています。」

(M)
「プロダクトの立ち上げフェーズでは、クライアントと密に連携を取っています。例えば、Figmaでリアルタイムでコメントをしあったり、随時チャットをしたりしています。

このような関わり方の場合、クライアントの要望を把握しやすく、一つのチームとして連携できる点がメリットだと感じています。」

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日々のインプット方法

(H)
「私は、特別なことをやるというよりも、日々の積み重ねが重要だと考えています。

そのため、ネットやテレビで情報収集をしながら、実際にサービスを使ってみたり、気になっているイベントに足を運んだりしています。
自分自身の行動を客観的に見つめることで、UXの知見も身に着けていけると感じています。

最近では、とある施設にある”タッチレスボタン”を見に行きました。メディアではイノベーションとして取り上げられていましたが、実際に訪れると、その存在に気づいていないユーザーも多かったように見えました。

このように実際に観察することで、企業の想定とユーザーの行動の乖離に気づくことができます。」

(M)
「私は先ほどもお話した”収束力”をより鍛えたいと思っているので、ワークショップデザインについて学ぼうとしています。
他にも、Google UXデザイン プロフェッショナル講座の受講や一般のコンペへの参加など、社外でのインプットに積極的に取り組んでいます。」

今後の展望

3年間クライアントワークとしてのUXデザインに携わってきた2人。今後、彼らがどのようなUXデザイナーになりたいのかを聞いてみました。

(M)
「私はジェネラリストを目指しています。プロジェクト全体をどのように推進するかといった点を学んでいきたいです。」

(H)
「私は地に足の着いたUXデザイナーになりたいと考えています。プロジェクトの中で関わるステークホルダーのニーズや、市場・社会の状況を踏まえて最適な提案をできるように、常に学び続けていきたいです。」

濱藤柚香子

濱藤柚香子

プロジェクトマネジメント事業部

2020年に電通デジタルに入社。 ユーザー起点でのサイトディレクションやユーザーテスト、アンケート設計・分析業務、ワークショップ設計・運営業務など幅広い支援業務に従事。

※所属は記事公開当時のものです。

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