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NEW 2024.06.28

元アプリプランナーが語る、UXコンサルタント職への転職体験談

#UXデザイン#エクスペリエンスデザイン#コラム#ナレッジ・ノウハウ

鈴木凱士 鈴木凱士

業界を問わずUXデザインが当たり前に求められるようになった昨今、UXにかかわる案件を推進する人材の需要も高まっています。
UXに関わる仕事は、事業会社で特定のサービスにおけるユーザー体験を設計する業務と、支援会社で幅広い領域のユーザー体験設計に関わる業務に大きく二分されますが、それぞれの立場で求められる役割やスキルの違いについてあまり詳しくない方も多いのではないでしょうか。 
本記事では、アプリサービスを手掛ける事業会社から支援会社の電通デジタルに転職し、現在UXコンサルタントとして活躍されている社員2名にインタビューを行い、転職の経緯や前職との違い、UXコンサルタント職の醍醐味について聞いてみました。


<インタビュイープロフィール>

・丹後 春香
大手総合人材サービス企業の新規事業企画業務を経験後、ヘルスケアテックスタートアップ企業に転職。PdM、プランナーとしてtoC向けアプリの施策立案やグロースハック、自治体向けのヘルスケアアプリの機能要件整理、コンテンツ立案、効果検証等を担当。2021年電通デジタル入社。
現在はWeb・アプリでのUXデザインやコミュニケーションの設計・改善、定量・定性を通したUXリサーチ、コミュニティの設計などに従事。

・遠藤 薫
コンテンツ配信事業会社にて、医療・ヘルスケアアプリの利用促進・コミュニケーション施策の検討、実施、効果検証等を経験後、社内のUXデザイナーとしてリサーチを中心に担当。2023年電通デジタル入社。
現在は顧客の行動変容についての取り組み、UXDプロセス設計、定性・定量リサーチに基づくサービスデザイン、ワークショップの設計やファシリテートなどを担当。

インタビュイープロフィール

1.電通デジタルへの転職の経緯


ーまずはじめに、事業会社で経験を積まれていたお二人が、支援会社のUXコンサルタント職に転職されたきっかけについて聞いてみました。

・丹後 春香(以下T)
「私は前職でヘルスケアテックのスタートアップ企業に勤めていたのですが、自治体や大手企業と提携して医療・ヘルスケアアプリを作っていた際に、”違う企業文化の方にUXコンセプトを共有してアプリを作ること”の難しさに直面したことがきっかけです。
UXコンセプトの共有や、開発チーム間でのコミュニケーションをとる際、前職のベンチャー企業ではどうしても自己流になってしまっている部分や手探り感がありました。UX設計やコンセプト立案の多様なフレームや、複数社でプロダクト開発する際の進行方法について、UXを専門としている会社でより深く学びたいと思い、支援会社のUXコンサルタント職への転職を決めました。

またもう一つの理由として、前職のベンチャー企業では30代で同様のポジションのメンバーが少なかったため、自身のキャリアの参考となる人が少ないと感じていた点もありました。」

・遠藤 薫(以下E)
「前職のコンテンツ配信事業会社にて、担当するサービスの立ち上げから利用促進まで一連のプロセスを経験する中で、私は”ユーザー体験をデザインすること”、特にユーザーの声を取り入れてどのように改善していくかを考える戦略フェーズに魅力を感じるようになりました。
そして次第に”どんな環境でも活躍できる汎用性の高いUXデザイナーになりたい”という想いを抱くようになりましたが、事業会社では良くも悪くも関われる範囲が自社のサービスに限定されてしまいます。そこで、様々な業界・サービスのUXデザインに関わることが出来る、支援会社のUXコンサルタント職への転職を決めました。」

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ーUXデザインに特化した支援会社は他にもありますが、その中でも電通デジタルを選ばれた理由は何でしょうか。

(T)
「電通デジタルを選んだ理由は2つあり、1つ目はクライアント企業と近い距離での伴走支援を行っていることです。
もともと支援会社のコンサルタントというと、戦略策定や構想などの支援は行っても、実際の運用や改善には深く関わらない印象があり、プロダクトと深く向き合えないのではないか、と個人的に考えていました。
電通デジタルではその印象が大きく変わりました。
伴走型の支援を強みとしており、クライアント企業内のいちメンバーとして振舞いながら日々の悩みなどまで聞き出して具体案を作り、運用なども含めて幅広く支援を行っています。
そのためプロダクトと深く向き合って支援でき、事業会社視点で見たときにも納得しやすく信頼できる存在となっており、魅力を感じました。

2つ目の理由は、デザインまで含めて支援していることです。ただの構想で終わらせるのではなく、自社内でUI/UX、デザインも含めて提案して、具体的なイメージをつけながらコンサルティングをしている点も電通デジタルの特色だと感じています。」

(E)
「私も丹後さんと同様に、クライアント企業に寄り添う力に魅力を感じました。
最初は一般的なコンサルタントへの印象として、1から10まで自分達中心に方針を決めてしまい、クライアント側の意見をあまり汲み取れていないのではないか、と感じていました。
その点、伴走支援を得意とする電通デジタルでは、クライアント企業の担当者にも”ユーザー中心の体験”とはどのようなものかを問いかけ、意見も取り入れながら顧客にとってより良い体験を追求していると聞き、その方針に共感したことで転職を決めました。」


ー電通デジタルの伴走型のUXコンサルティングに魅力を感じ転職されたお二人。
転職前にあった不安についても聞いてみました。

(T)
「私は決まった期間でより専門性を求められる仕事になることに不安を感じていました。ベンチャー出身で広く浅く業務を担当していたので、自分の実力を出せるのか、役に立てるのか不安でした。
ただ私の場合は、入社前に所属予定の事業部の方から直接案件事例や業務内容を話してくれる機会があったことで安心できました。

また入社してから素晴らしいなと感じたのが、電通デジタルにはクライアント企業担当案件とは別に、自由に手を挙げて自分の好きなこと、得意なことに参加できる機会*があることです。
そこでの経験を通じて、専門性を高めつつ新しい領域にもチャレンジできることが、入社後の不安を払しょくする良い機会となっています。」

(E)
「私は今回が初めての転職だったため、転職後に自分の力が通用するのかどうか、やり方が前職と異なり役に立てないのではないかなど、スキル面で不安でした。
そんな中で、電通デジタルが発信している事例やインタビュー記事を見て自分がこれまでやってきたこととの共通性を感じることができ、少し安心しました。

また入社前に取得を考えていた資格の保持者が多くいることを知り、転職しても自身が身に着けたいスキルと近い仕事を継続して出来ると感じたため、安心して入社することが出来ました。」

*電通デジタルでは様々なテーマごとに組織横断の専門チームが存在。丹後はデジタルネイティブ世代を専門とする「YNGpot.」に所属しており、デジタルネイティブ世代のインサイトやトレンドの調査、サービス開発支援を行っている。また遠藤は「ヘルスケアラボ」に所属しており、前職でのヘルスケアに関わるユーザー調査の経験を活かしたサービス開発支援に携わっている。

参考URL
・デジタルネイティブ特化型ソリューション YNGpot.™(株式会社電通デジタル)

https://dd.dentsudigital.co.jp/service/lp/yngpot/

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電通デジタルでの経験


ー次に、お二人の電通デジタルでの現在の業務内容についても簡単に聞いてみました。

(T)
「WebやアプリのUX設計にかかわるリサーチや、エンドユーザーに届くコンテンツ施策立案等を行っています。
業界としては通信、エレクトロニクス、飲料、映像サービスなどを幅広く担当しています。」

(E)
「様々なお客様の課題を踏まえた戦略検討フェーズのUXデザインを担当しています。
具体的にはユーザーリサーチの計画を立てて実行したり、ワークショップにてクライアント企業の担当者の意見を引き出しながら、ユーザー課題をまとめたり理想の体験を設計することを担当しています。」


ー現在UX関連のリサーチや戦略検討、コンテンツ施策立案などを担当されているお二人は、前職での経験を活かす機会も多いようです。

(T)
「実行の支援をする際に前職の経験を活かせているなと感じています。
具体的には、前職でユーザーインタビューやファンコミュニティのイベントなどを通じてユーザーの意見を引き出すUXリサーチを行う機会があり、今携わっている業務でもUXリサーチの設計を行う際にその経験を活かせています。

また前職でのアプリやサイトの運用フェーズにおける行動解析や改善施策立案などの知見についても、クライアント企業が今後どのフェーズで苦労しそうか分かるため、相手目線でアドバイスするうえで役立っています。」

(E)
「前職では社内コンテンツ全般のデザインスタジオのような部署に所属しており、リサーチや社内クライアント企業に向けたワークショップ設計、ファシリテートなどを担当していたので、それらのスキルはすぐに活かすことができました。

また丹後さんと同じく、事業会社でサービスの立ち上げから改善の一連の流れを見ていたことで、クライアント企業の担当者に共感やアドバイスが出来た機会もあり、クライアントに近い距離で接するという点でも前職の経験を活かせています。」


ー具体的なスキルだけでなく、クライアント企業目線で考えるうえでも前職の事業会社での経験が役立っているようです。
続けて、お二人が転職して感じる”事業会社と支援会社の違い”についてお聞かせください。

(T)
「私が違いとして感じたのは、”扱う業界、ジャンルの幅”と”構想期間の長さ”です。
まず1つ目の”扱う業界、ジャンルの幅”についてですが、前職では基本的にヘルスケアテックという一つの業界に特化していた一方で、電通デジタルでは様々な業界のクライアント企業を担当しています。
そのためUI/UXを考えるにあたっても、それぞれの業界・企業の特性に合わせて頭を切り替える必要があり、事業会社と支援会社の業務面の大きな違いとして感じています。

2つ目は”構想期間の長さ”についてです。
前職の事業会社では、ベンチャーだったこともあり初期の構想にかける時間が短く、最初のアウトプットがプランナーの思いに寄ることもありました。ただその分、素早くMVP*を出してユーザーの声を聞き、スピーディーな修正・実行に繋げていました。
電通デジタルでは、”クライアント企業との合意形成”や”中長期的な展望”も重要視されるため、構想を綿密に練りながらプロジェクトを推進します。
クライアント企業の担当者と何度も対話を重ねながらUXのコンセプトを決めていくため、初期や途中経過におけるアウトプットの品質の高さも求められており、そこは前職と大きく違うところだなと感じています。」

(E)
「業務面では、”扱うチャネルの幅”が大きな違いだと感じています。
前職の事業会社では、アウトプットを行うチャネルが自社のWebサイトやアプリ等に特化しており、そのチャネル専門のUXデザイナーとして業務にあたっていましたいました。
電通デジタルではWeb、アプリだけでなくリアルのイベントや製品、研修など幅広いチャネルを扱うことが出来る点が、業務における事業会社との大きな違いだと感じています。

また”チーム内の雰囲気”や“関われるメンバーの幅”も異なります。
前職では7人程度のチームで5年ほど仕事をしていたため、チームメンバー同士で非常に仲良くなり家族感すらありましたが、一方で関われるメンバーは固定されていました。
電通デジタルではクライアント企業、プロジェクトも様々で比較的短期間でプロジェクトチームが変わる分、メンバー一人一人と関わる時間は相対的に短くなりましたが、関われるメンバーは非常に広いと感じています。」

*Minimum Viable Product=ユーザーに必要最小限の価値を提供できるプロダクトのこと

図:お二人における事業会社(ベンチャー)と支援会社(電通デジタル)の違い

図:お二人における事業会社(ベンチャー)と支援会社(電通デジタル)の違い


ー業務の内容はもちろん、プロセスや扱うソリューションなど様々な面で前職との違いを感じられていたお二人。
電通デジタル入社後につまずいた経験についても聞いてみました。

(T)
「アウトプットを出す段取りに前職とのギャップがあり、少しつまずきました。
前職は少人数のメンバーで特定のサービスを長期間担当していたため、チーム内では阿吽の呼吸で言葉や意図を伝えることが多くなっていました。
電通デジタルに来てから、自身の説明が言葉足らずなことが多いことに気づきました。
また作った資料が本来はより前の段階ですり合わせが必要だった場面もあり、当時の上司にもよくフィードバックをいただいていました。」

(E)
「前職と比べ様々な人と関わるため、クライアント企業の担当者や初めて一緒に仕事をする社内の人が求めている”仕事の進め方”や”アウトプットの品質”を理解するまで少し時間がかかりました。
積極的にマネージャーなど社内ステークホルダーとの会話の機会を設け、コミュニケーションを取ることでこの課題は解消されていきました。」

UXコンサルティングのやりがい


ーお二人は電通デジタルにおけるUXコンサルティング業務のどのような部分にやりがいを感じているのでしょうか。

(T)
「様々なフェーズ、業界のプロジェクトに1メンバーとして参加できることにやりがいを感じています。
自身の得意、不得意がある中で、得意な部分だけを突き詰めことも重要ですが、プロジェクトのフェーズ、業界によって”どのようにすれば自身の得意を発揮できるか”は変わってきます。
電通デジタルでは、様々なプロジェクトに関われるとともに、チームメンバーを頼りながら自分の得意な部分を中心に担当できているのでスキルアップにも繋がりやすく、やりがいとなっています。」

(E)
「私にとってのやりがいも丹後さんと近く、様々な業界やサービス、人と関われていることです。
電通デジタルでは様々な業界・サービスのUXに関わるプロジェクトを担当でき、またその内容に合わせてプロジェクトメンバーも変わってきます。幅広いクライアント企業、プロジェクトと関わり多様な価値観を持つメンバーと毎回新鮮な気持ちで取り組めることに、楽しさとやりがいを感じています。

また私は目指す姿として”汎用性の高い、どんな業界、サービスでも通用するUXデザイナー”になりたいと思っているのですが、様々な業界・サービスのプロジェクトを経験することで、段々とその目標に近づけている点も大きなやりがいとなっています。」

日々のインプットについて


ー電通デジタルに転職後、日々のインプットとして行われていることをお聞かせください。

(T)
「電通デジタル内では資格取得も奨励されており、私もGoogle UXデザインプロフェッショナル認定資格や、人間中心設計スペシャリストなどの資格の勉強に取り組んでいます。

また電通デジタルではおすすめの書籍を聞くとピンポイントで答えてくれるメンバーが多いので、よく周囲に教えてもらった書籍を購入して読むようにしています。
所属するグループでのおすすめ書籍の感想共有やナレッジ共有なども盛んで、いつも参考にしています。」

(E)
「私は社内で発信されている、プロジェクトの事例共有を積極的に見ていますね。
あとは、これまでに学んだUXデザインの基本のスキルに何を足せるかを意識しており、例えば最近ではモチベーション設計を学びました。
また前職のUXデザイナーと会話する機会を定期的に設けるなど、同じような職種の方との交流も意識して行っています。」

(T)
「インプットにつながる交流は電通デジタル内でも多いですね。
私や遠藤さんをはじめヘルスケア業界に詳しい人達で集まったご飯会や、モチベーション設計に興味がある人同士で集まり各々の経験や学びを共有する会をこれまでにも実施してきました。
社内でそうしたカジュアルな勉強会ができているのも電通デジタルの特長だと感じています。」

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今後の展望について


ー事業会社での経験を活かしながらUXコンサルティング業務に携わり、日々のインプットも積極的に行われているお二人。
最後に、今後のキャリアのイメージについて聞いてみました。

(T)
「支援会社に来ているので、様々な業界・プロダクト・フェーズのUX設計・UXデザインに、深い示唆をもって対応できる人材になること、またその中で自身の強みを深ぼることが直近の目標ですね。
そして将来的には、幅広い知見を持ったうえで、特定のプロダクト、サービスを成長させていけるような仕事に就きたいと考えています。」

(E)
「自身の専門性を高めてどのようなアウトプットでも対応できるUXデザイナーになるために、まずは様々な経験を積むことを第一に考えています。
そして将来的には、UXの考え方を広めるための組織づくりにも関わりたいと考えています。」

鈴木凱士

鈴木凱士

トランスフォーメーション部門

2023年に電通デジタルに入社。UXコンサルタントとして、定量・定性分析やサイトにおけるIA・UI設計、オフラインチャネルでのUX施策立案・実行支援などに携わる。

※所属は記事公開当時のものです。

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